日本語教師という仕事の人気は?

主婦の方、また定年後に日本語教師の仕事をしようと思う人が増えています。
外国人に日本語を教える、働く時間や日が比較的自由である、など今まで自分がしてきた仕事と180度違う仕事に魅力を感じる人が多いようです。

では、日本語教師の仕事とはどんな仕事でしょうか?
日本語教師というお仕事は、ご存じのとおり外国人に日本語を教える仕事です。
この仕事をするためには、資格が必要です。以下の条件のうち、いずれか1つを満たしている必要があります。

①日本語教師養成講座(420時間以上)修了+大学卒業(学士資格)
②大学・大学院で日本語教育専攻または副専攻
③日本語教育能力試験合格

長い時間とお金をかけなくても良いのが、③の日本語教育能力試験合格ですが、範囲がかなり広く、独学で合格するにはかなり効率よく勉強する必要があり、対策講座を受ける人も多いです。

私は、日本語教師養成講座に通いましたが、もう20年以上も前のことで、まだ日本語教育能力試験はありませんでした。
しかも、私は短大卒業ですので、そもそも420時間修了してもダメなわけです。(その後、頑張って学士を取得しました。)
そのころ、「日本語教師になろう!」と思って、学校に通っていたわけではなかったのですが、卒業しても海外に行くしか就職の道はほとんどなかったです。絶対に日本語教師の仕事をしたいと言う人は、台湾、中国、韓国などに就職しました。

日本では、あまり授業がなかったのと、給料が安い、クラス制のレッスンを持った経験者しか雇ってもらえない、など、厳しかったです。

日本語教師の人気が上向きに!

何年か前から、「日本語教師養成講座」の広告をよく見るようになりました。
もちろん学生時代から日本語教師を目指して勉強する人もいますが、先ほどお話ししたように定年後に日本語教師になろうと言う人も増えて来ました。また、今まで、子育てやパートのお仕事で大変だった主婦の方も、何か新しい仕事がしたいと思ったとき、日本語教師というまったく違う分野の仕事をしたいと思う主婦の方も多くいらっしゃるようです。
実際仕事をしていても、年配の先生がたくさんいらっしゃいました。年を重ねている日本語教師の方の魅力は、さまざまな経験をされているということです。
日本語を教えるということは、語学だけを教えることではなく、それに関係する文化や習慣などさまざまなことを教える機会が多く、経験を重ねた方に向いているということです。

最近の「日本語教師不足」は、日本語教師になりたいと言う人の気持ちに拍車をかけています。
下のグラフは、留学生の数の推移です。(文部科学省発表)

「留学生が増えているのに、日本語を教える教師の数が足りない」このような報道がよくされていました。
日本語教師養成講座の広告がネット上に溢れ、これを見ると、
「あ、外国人に日本語を教えるなんて、なんだか面白うそうだな。」「日本語だから自分にもできるんじゃないかな。」
そう思う人もたくさんいると思います。

また、日本語教師の働き方も魅力の一つです。

  • 週の中で、自分の好きな時に仕事ができる
  • 仕事の量を調節できる
  • 外国人と接することができる
  • 先生という仕事につくことができる

など、いろいろあります。もちろんこれは非常勤講師(時間給で仕事をする)の場合ですが、定年後や主婦の人には魅力的な働き方といえます。

日本語教師の難しさ

しかし、難しいところもたくさんあります。
私たちが日本語を話している母語話者とはいえ、日本語が教えられるかというとそうではないということです。
何気に話している言葉は、私たちが生まれてから自然と身に付けた言葉であり、私たちが英語を勉強するように、あとから学習する語学とは違うということです。

日本語を教える専門的な知識が必要となります。

日本語教師になるためにはどこで勉強するのが良いか?

最初に述べたように、日本語教育能力試験に合格、または大学で専攻していた場合、日本語教師の仕事をするのに近道だと言えます。
しかし、実際に教えるとき、果たして実践練習をしていなくても大丈夫か?という疑問が出て来ます。

私が実際に、大学の日本語別科で3年ほど仕事をしましたが、その時出会った先生方は、大学で専攻されてた方、420時間を終了された方、日本語教育能力検定試験に合格された方、さまざまでした。
まだ、別科が出来て間もなかったとと講師不足で、経験がなくても採用OKでした。(これは珍しいです)
実際、困っていらっしゃる先生がたくさんいらっしゃいました。教え方がわからない、留学生との接し方が分からない…など。

そう考えると、教育実習もあり、現場の先生の話が聞ける養成講座に通うのが、実践の時には役立つかなと思います。
机上の学習だけでは、わからないことがたくさんあるからです。
(これは、あくまでも私の意見です)

日本語教師資格は今も揺れている…

留学生の増加により、日本語教師の質が問われ、2019年度より「国家資格化」(通称:公認日本語講師)をしようという動きが出て来ました。しかしながら、今までころころと内容が変わり、現段階では2024年以降に国家資格化される予定だそうです。
では、現在日本語教師の資格を持って、仕事をしている人は今後どうなるかということですが、もし国家資格化されたとしても、働けなくなるということはなさそうです。

コロナで日本語教師はどうなるの?

現在は非常に厳しい状況です。
新型コロナウィルスの感染が始まってから、大学で感染者が出るたびにいきなり休講→ZOOM授業に切り替えを繰り返してきました。そして、留学生が入国できなくなり、日本語学校は非常に厳しい状況です。生徒数がいままでの1割にも満たない学校もあります。
そして、そうなると日本語教師の仕事も厳しくなります。
担当するコマ数が減る、最悪待機状態になる、求人が減る、そして、オンライン授業をしなければならない、などです。
私は昨年はオンライン授業への切り替えで、週2回、1日90分授業を4回していました。慣れていないことと、生徒の数が多いことで本当に大変でした。

コロナで厳しくなった現状を考えると日本語教師の仕事はあきらめるべきか?

今がチャンスです!

コロナが落ち着いて留学生が再び入国してくると、必ず日本語教師の求人が増えます。
そこから、「さぁやってみようかな」では、遅すぎます。
今から資格をきちんと取って準備をしておく必要があります。

オンライン授業は必須!

新型コロナウィルスの影響で、ほとんどの学校がオンライン授業に切り替わりました。
オンライン授業は、対面授業と異なる技術が必要となります。
視覚的に学生にわかりやすい授業をしなければならないということです。
主にPowerPointで教材を作ることが多いですが、教材のやりとりや、提出、テストなどをGoogleClassroomなどを使って行うところが多いです。
今回、急に切り替わり、初めて経験する事態に学校側も試行錯誤でしたが、私たち教師も大変でした。
私はパソコン教師をしていることもあり、比較的準備には苦労することはありませんでしたが、パソコンを苦手とする先生は、途中で挫折し、対面授業まで授業を他の先生に任せた先生もいらっしゃいました。
もちろんそうなると、お給料も発生しません。

日本語教師になるための資格取得、授業の進め方の実習+オンライン授業に関わる技術が今後必要になります。

まずは、資格取得!そして晴れて日本語教師として仕事ができる日までに、オンライン授業の練習もしておきましょう!

kayokayo

オンライン授業のみの学校もあります。どんなふうに授業をするかは次回またお話ししますね。

私は、もう20年以上も前ですが、日本語教師養成講座を授業しました。その時でも、確か20万円位したかと思います。
とてお高いと思いましたが、今はその時受講していてよかったと思っています。
もちろん、オンラインレッスンでは、会社によって資格は必要なしとしているところもあります。
自分にとって必要かどうかをよく考えて受けられるといいかと思います。

また、養成講座の学校によって、値段も内容もバラバラです。
内容もしっかり確認し、模擬授業など実践的なことを教えてくれるところを選ぶのがお勧めです。